情報モデルとは

情報モデルとは情報を伝える枠組みをいいます。OPC Foundationの資料によると「情報モデルの導入前はFA機器同士の通信はベンダーごとにパラメータが異なるため人間が介在し、これらを調整することで情報の伝達を可能としていたのに対し、情報モデルが導入されると、FA機器同士が会話し人間が介在してなくてもFA機器間で意味が理解できるようになります。」と書かれています。

OPC UAの情報モデルは4層で構成され、モデル定義基盤(Meta Model)、基本モデル構成要素(Built-in Information Model)と協調領域(Companion Information Model)と競争領域(Vendor Specific Extensions)から構成されます。日本語訳はあまり浸透していないので英語の方がなじみがあるかもしれません。

Empress iData OPC UA Serverは、OPC UAのモデル定義基盤(Meta Model)と基本モデル構成要素(Built-in Information Model)をデフォルトでロードしています。

3番目の階層は重要で、業界ごとに決定される階層で、Companion Information Modelと呼ばれています。PLCではPLCopen、プラスチックではEUROMAP、変電所ではIEC61850を使用するなど、産業分野ごとに決定され国際標準になります。それぞれの業界を代表する団体がOPC Foundationと共同で作成しリリースします。Companion Information Modelよりデータの規格・標準化が可能になります。

4番目の階層はVendor Specific Extensionsと呼ばれます。Companion Information Modelとは逆に各企業が独自に情報を記載する階層です。3層目のCompanion Information ModelではObjectTypeなどのTypeは定義されていますが、インスタンス化されたモデルは存在しません。Meta Model、Built-in Information Model、Companion Information Modelから情報のリンクを引継つぐので単純作業ですが人間が作成するのは難しいといわれています。 専用のツールを使用することをお薦めします。

Empressのコンサル・技術サポートはVender Specific Extensionsの構築支援や受託サービスも提供しています。

Serverが情報モデルをロードするにはXMLファイルをロードします。OPC UA Serverのコンフィグファイル(Empress iData OPC UA Severの場合はuaserver.config.xml)の<AddtionalNodesetFile>に追加するXMLファイルへのパスとファイル名を追記することでロードする情報モデルファイルを定義します。<Nodeset2>の初期値はEmpress iData OPC UA serverの場合はエクゼファイルと同じパスが定義されています。追加するXMLファイルへのパスとファイル名を下記の様に記載します。

  <AddtionalNodesetFile>
    <Nodeset2>./a.xml</Nodeset2>
    <Nodeset2>./b.xml</Nodeset2>
    <Nodeset2>./c.xml</Nodeset2>
  </AddtionalNodesetFile>


Severは最初にa.xmlをAddressSpaceに読み込み、その後b.xmlとc.xmlと、上から下へ順番にAddressSpaceの情報を上書きしながら追加します。<AddtionalNodesetFile>にロードする情報モデルのXMLファイルの指定がない場合はOpc.Ua.NodeSet2.xmlのみがロードされます。この場合インスタンスはServer以外は存在しませんので、Vender Specific Extensionsを作成しTypeをインスタンス化することをお薦めします。